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2019.02.21
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法人クレジットカードのメリットを理解して税務調査を乗り切る

税務調査とは?

税務調査

税務調査は、国税庁の管轄下にある税務署などが、納税者(個人や法人)が正しく税務申告をしているのかを確認するためにする調査で、全体の6%程度が受けています。大体5~10年に1回程度は会社に税務調査が入る可能性があります。

そんな税務調査の際に、あったほうがよいものは、取引の証拠なる証明書です。例えば、領収書や書類などがあげられます。税務調査を受けた場合に、その時どんな状況で取引をしたのかな、どの情報が必要となることが多いです。そのため不正な取引等は、行っていないということを証明するのに、証拠が必要となります。

重要な証拠は領収書

上記のようなことから、領収書は税務調査を乗り切るためには重要なポイントとなります。ただし、そんな証拠をずっと取っておくのは大変です。もし証拠があったとしても、たくさんの書類を調べることはなかなか難しいことがあります。

法人クレジットカードのメリットを利用する

業務の効率化

法人クレジットカードで会社の経費等を支払うと、会社にとってどんなメリットがあると思われるでしょうか。

まず、法人クレジットカードで支払うことにより、現金での支払いよりも支払いが遅くなります。締め日によりますが、翌月末払いであれば大体50日前後は遅くなります。この点を利用することにより、現金をある程度プールできるため、使わない現金を有効なことに投資できます。つまり資金繰りの点ですこし余裕が出てくるのです。中小企業にとっては、資金繰りに余裕ができるというのはかなり大きなメリットになるでしょう。

次に、会社での現金の支払いであれば、使ったことを計上する必要があります。ただし、この経費の計上は日常的に行っていても、計上を漏らしてしまうこともあるのです。

経費をすべて法人クレジットカードで支払うようにすれば、計上漏れなどを防ぐことができます。また、計上漏れが起きてしまった際の面倒なやりとりなどが一切なくなるため、経理業務の管理が簡単になるというメリットがあるのです。

さらに、会社内での小口現金の管理が楽となり、経理業務の管理が効率化されます。小口現金の管理は、非常に煩雑なため管理が負担となっています。中小企業であれば、さらに負担となっているため、効率化は歓迎されるでしょう。

法人クレジットカードで、お支払いをする際にはカードで支払いをすると、支払い明細をWEBでみることができます。つまり、いちいち手入力を行わなくても、データをダウンロードするだけで、簡単に管理ができるようになるのです。すべての経費の支払いを法人クレジットカードで、支払うことができれば、すべての支払いをWEB明細で管理することができるのです。

付帯サービスが便利

法人クレジットカードに、いろいろな付帯サービスがついて場合があります。付帯サービスの内容は、法人クレジットカード自体のランク等に異なります。実際にどんな付帯サービスがついているのかご紹介していきます。

コンシェルジュサービスは、出張時の通訳の手配や航空チケットの手配、宿泊先の手配だけではなく、接待時のレストランを探したり予約をしたりもしてくれます。まるで秘書がいるかのようにビジネスのサポートをしてくれるビジネスマンにはうれしいサービスです。

国内・国外の空港のラウンジを、無料で利用できるサービスもあります。こちらは、プライオリティパスといわれており、海外出張の多い会社員にはうれしいサービスです。ラウンジでは、無料ドリンクを飲んでリラックスをしたり、乗り継ぎの合間に仕事をしたりとすることができます。

保険サービスでは、ショッピング保険、傷病、死亡保険などの各種保険サービスがついています。海外では、日本よりも病院の料金が高いこともあるので、疾病や傷病の保険がついていると安心です。また、日本ほど海外は平和ではなく危険な地域もあるため、しっかりとした保険があると安心感があるはずです。

付帯サービスは、ビジネスの手助けをしてくれるような便利なサービスばかりです。一度法人クレジットカードを手に入れたら、どんな付帯サービスがあるのか確認してみることをおすすめします。

個人事業主

個人事業主にありがちなのが、仕事の経費を個人クレジットカードで支払ってしまうことです。このとき、仕事の経費を法人クレジットカードで決済を行っていないと、税務調査で指摘されてしまうことがあります。

さらに、仕事で使用する携帯電話料金やインターネット料金を、法人クレジットカード払いにすれば、経費として落とすことができるようになるため、メリットとしては多くあります。個人クレジットカードを払ってしまうと、経費として認められないこともあるので、注意しましょう。

法人クレジットカードで税務調査を乗り切る

WEB明細は証拠なるのか?

法人クレジットカードにて支払ったものは、すべてWEB上の明細システムですべてみることができます。つまり、いつどんなお店で、だれが、いくら使ったかなどをすぐに調べることができます。そんなに簡単に調べられるWEB明細ですが、税務調査の証拠つまり領収書として認めらえるのでしょうか。

結論からいうとWEB明細では、税務調査の証拠つまり領収書としては、認められません。なぜなら、WEB明細には証拠として必要な情報である支払日と支払い金額がはいっていないからです。そもそも経費として落とすためには、支払い日、支払日、支払い金額、支払い先(名前、住所)などが記載されていなければいけません。さらにWEB明細自体は、カード会社が管理をしており、経費を支払ったお店が直接だした明細ではないからです。

現在では、税務調査の際に、証拠として認められるものどれなのか。国税庁から正式回答は以下の通りです。

請求明細書

クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書等は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成・交付した書類ではありませんから、消費税法第30条第9項に規定する請求書等には該当しません。

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/18/05.htmから引用

つまり請求明細は、クレジットカード会社(第三者)が作った書類なので、証拠にはならないということです。

利用明細(クレジット売上票)

「ご利用明細」等には、その書類の作成者の氏名又は名称、2課税資産の譲渡等を行った年月日、3課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容、4課税資産の譲渡等の対価の額、5その書類の交付を受ける者の氏名又は名称が記載されていることが一般的であり、そのような書類であれば消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当することになります。

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/18/05.htmから引用

つまり利用明細は、実際に支払いのやりとりをした当事者が発行しているため、証拠となります。

領収書

第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)は、金銭又は有価証券の受領事実を証明する目的で作成されるものです。ご質問のように、クレジット販売の場合には、信用取引により商品を引き渡すものであり、その際の領収書であっても金銭又は有価証券の受領事実がありませんから、表題が「領収書」となっていても、第17号の1文書には該当しません。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htmから引用

つまり、クレジットカード払いは印紙を貼る必要がないので、正式な領収書として認められず証拠ならないのです。反対に手書きの領収書であれば、印紙を貼れば正式な領収書として認められます。

領収書を保存するための方法

税務調査を乗り切るために、証拠なる領収書が必要となります。そこで、こちらでは法人クレジットカードを利用して、支払いをした場合でも領収書を取っておくための方法をケースごとに説明していきます。

ネットショッピングで商品やサービスを購入した場合、クレジット売上票は出てきません。代わりにメールで支払いの明細の内容が送られてくることが多くあります。

オンラインサービスやアプリの場合は、請求完了画面やメールを印刷して保管しておくとよいでしょう。店舗で商品を購入した場合、店舗によっては手続きが簡素化されてしまい、領収書が出ない場合もあります。そんな場合は、レシートを補完するようにしましょう。

電子マネーをチャージする場合にはレシートすら出ないケースもあります。そんなときは、いつどんな用途でいくら使ったかなどをメモしておくとよいでしょう。調査時に指摘されたときは、レシートがでなかったことを伝えれば、その点を考慮してもらえます。

法人クレジットカードのデメリット

法人クレジットカードがとても便利なものですが、もちろんそれだけではなく、法人クレジットカードを使用する際にはデメリットも存在します。

まず、法人クレジットカードは、基本的に一括払いとなっています。個人であれば、一括払い、リボルビング払い、キャッシングなどがありますが、法人クレジットカードでは、ほとんどのクレジットカードにはこれらの機能はついてきません。

もちろん法人クレジットカードでもキャッシングができたり、分割払いができたりするカードもあります。これらの機能が欲しい方は、あらかじめ機能があるカードを選ぶようにしましょう。

また、法人クレジットカードでは、ほとんどのカードで年会費が取られる場合が多いです。個人クレジットカードでは、年会費が無料とうたっているものが多いようですが、法人クレジットカードでは異なることを認識しておくとよいでしょう。

その他にも法人クレジットカード自体の審査が個人よりも厳しいため、どうしても法人カードが作れないときもあります。

いざ法人クレジットカードができても、その運用自体が難しいため、導入する際にはしっかりとルールを作ってから導入するようにしたほうがよいでしょう。きちんとしたルールができない場合は、トラブルが起きてしまう可能性があるため、導入を遅らす、再度検討するなどしたほうがよいかもしれません。

例えば、追加で法人クレジットカードを作ってしまい、個人的な飲食代を法人クレジットカードで支払ってしまったり、ネットショッピングで個人的なものを購入してしまったりと、不正利用をして利益を得たりする可能性があるからです。

個人クレジットカードと違って、法人クレジットカードはポイントの還元率が悪い傾向にあります。良くて1.0%程度で、平均すると0.5%程度の場合が多くのです。

税務調査時に問題となるポイント

ポイントはだれもの?

カードを使用していれば、法人クレジットカードといえどポイントは発生します。また、ポイントは社員のものでしょうか、会社のものでしょうか、社長のものでしょうか。そんなポイントは、どんな扱いをすればよいのでしょうか。

ポイントなのだから、社員や社長が自由に使っていいと思われるかもしれません。しかし、ポイントは経理上において雑収入といわれるカテゴリにはいります。つまり、大きく分けると会社の収入として認識されているのです。

つまり、ポイントは会社のものとなります。ただしポイントを雑収入として仕訳をしてしまうと、ポイントを使うたびに会計処理が必要となり、かなり手間がかかってしまいます。法人カードを使う際の大前提として経理の簡略化があげられるのに、手間を増やしてしまっては本末転倒となってしまいます。
現在きちんとポイントを雑収入に計上をしている会社は少なく、個人的にポイントを利用する場合が多いようです。

ポイントを社長が使ったらどうなるの?

ポイントが会社のものでありますが、会社の規模によって事情は異なります。個人事業主であれば、自分だけが使っているので実質自分のものといってもよいでしょう。通常の会社であれば、社長であても個人的に使ってしまうことはNGです。もしポイントを使ってしまったら、業務上横領罪になってしまいます。

法人クレジットカードを利用する際のポイント

税務署からの税務調査を乗り切るためには、税務署を納得させるための証拠が必要となります。そのため、日ごろからきちんと利用明細やレシート、領収書などをきちんととっておくようにする必要があります。

法人クレジットカードで経費を支払うため、WEB明細があるから計上はしない、利用明細や領収書はもらわなくてもよいということありません。法人クレジットカードだからこそ、レシートや利用明細が出ない場合もあるので、取り扱いには注意をするようにしましょう。

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