法人カードは所有者のステータスを表わすアイテムであり、カードのランクによって商談や交渉を有利に進められる余地があります。ステータスの高い法人カードは社会的信用や業績の安定性をアピールでき、接待や商談の場でビジネスチャンスを広げることが可能です。
今回は、ステータスの高い法人カードがビジネスに好影響を及ぼす理由、おすすめの主要な銘柄について紹介します。
1. ステータスが高い法人カードは取引先から信頼を得られる
ステータスが高い法人カードはオーソドックスな法人カードよりも審査が厳しく、ブランドによってはカード会社からのインビテーションが必要です。そのため所有できる層は一部の法人・個人事業主に限られており、所有者は与信管理の能力に長けたビジネスマンとして取引先から絶大な信頼を得られます。
接待や会食の場でステータスの高い法人カードを提示して決済すれば事業が好調であることを対外的にアピールでき、先方が安心して仕事を依頼してくれる、商談を有利に進行できるといったメリットが生じるのです。
ステータスの低い法人カードは足元を見られるリスクがある
創業して間もない企業の経営者・役員やキャリアがまだ浅いフリーランスの場合、一般的な法人カードを提示しても不信感を抱かれることは少ないでしょう。しかし創業から数年経った企業の経営者や活動歴の長いフリーランスが個人カードとほとんど変わらないランクの法人カードを提示した場合、先方から「事業がうまくいっていないのでは」と勘ぐられてしまいかねません。
その結果、当初見込まれていた件数よりも発注量が少なくなる、先方から単価の引き下げ交渉をされるといったビジネスにおける不利な展開を強いられるリスクが生じるのです。
一方でステータスの高い法人カードを所有していれば取引先から足元を見られるリスクを低減でき、単価や条件の交渉を有利に進められる余地があります。
そのためすでに一般的な法人カードを一定期間利用していて経営のキャッシュフローに余裕がある場合は、次のステップとしてステータスが高い法人カードへの切り替えを検討しましょう。
2. ステータスが高い法人カードは付帯サービスが充実している
ステータスが高い法人カードを所有するためには相応の年会費を支払わなくてはいけませんが、健康相談・医療機関の紹介を承るサポートデスクや出張による渡航中の傷害保険といった付帯サービスが充実している傾向です。さらに提携ホテルの宿泊料割引、予算・人数などにあわせて最適なレストランを提案するコンシェルジュサービスといった特典があるブランドも存在します。
例としてゴールドクラスのアメックス法人カードは会員を対象とした海外旅行傷害保険が付帯し、本カードで航空機のチケットやツアー料金を支払った場合、渡航中の傷害死亡や後遺障害に対して最高1億円の保険金が下ります。
カードによる決済を行っていなかったケースでも最高5,000万円の傷害保険が適用されるため、出張で頻繁に海外へ訪れるビジネスマンにとって安心です。
さらにステータスが高い法人カードはカードによる支払いで購入した商品が破損・盗難された際に一定額の補償を行う付帯サービスも用意されており、トラブルに見舞われた際でもビジネスへの影響を少域に留められます。
またオンラインチケット販売店と提携しているブランドも多く、音楽やスポーツ鑑賞の先行予約ができ、社員に対する福利厚生として役立てることも可能です。
3. ステータスが高い法人カードは急な支出や高額な決済に対応できる
利用可能枠が少額な法人カードの場合、大きなコストのかかる宣伝広告費や接待交際費といった事業費の支払いでまたたく間に限度額を迎えてしまいます。一方でステータスが高い法人カードは一般的な個人カード・法人カードよりも利用可能枠が多額であり、急な支出や高額な決済にも対応可能です。
限度額を迎えてしまうと法人口座から引き落としがなされるまで決済で法人カードを利用できないため、事業費の支払いを一元化したい場合は利用可能枠の大きい法人カードを運用しなくてはいけません。
さらに追加カードは利用額がすべて親カードと合算されるので、各社員が追加カードを利用して決済するのであれば法人カード1枚あたりの利用可能枠はさらに低減します。
一般的なクラスの法人カードの場合、利用可能枠は20万〜300万円が目安とされています。一方でステータスが高いゴールド・プラチナクラスの法人カードは利用可能枠が500万円以上である場合がほとんどであり、審査によっては1,000万円の枠が設けられるケースもあるのです。
さらにゴールドクラスのアメックス法人カードやダイナースクラブの法人カードは原則的に利用可能枠の制限がなく、サポートデスクに連絡すれば高額決済にも対応できます。
ステータスが高い法人カードの主な銘柄3選
経費の支払いや出張、接待といったビジネスシーンで役立つおすすめのステータスが高い法人カードは主に次の3銘柄です。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード | |
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年会費 | 31,000円(税抜) |
追加カード | 12,000円(税抜)/枚 |
利用限度額 | 一律の制限なし |
ポイント還元率(基本) | 1% |
国際ブランド | アメリカン・エキスプレス |
主な付帯サービス | コンシェルジュサービス、海外旅行傷害保険、国内航空機遅延費用補償 |
ゴールドクラスのアメックス法人カードはハイステータスな法人カードとして代表的な存在であり、入会は20歳以上の法人代表者または個人事業主が対象です。
利用額の支払い方法は一括払いですが限度額に一律の制限がなく、あらゆる経費をスマートに決済できます。また海外旅行傷害保険や24時間365日対応のヘルスケア相談といった様々なサービスが付帯し、決済に限らず多方面でビジネスの利便性を伸張できる法人カードです。
三井住友ビジネスプラチナカード for Owners | |
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年会費 | 50,000円(税抜) |
追加カード | 5,000円(税抜)/枚 |
利用限度額 | 最高500万円 |
ポイント還元率(基本) | 0.5% |
国際ブランド | VISA・Mastercard |
主な付帯サービス | 国際線手荷物無料宅配、福利厚生代行サービス、国内・海外旅行傷害保険 |
三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersは30歳以上の法人代表者または個人事業主を対象とした三井住友カードの最上位シリーズであり、一括払いのほかに分割払いやリボ払いなど幅広い支払い方法に対応しているステータスの高い法人カードです。
国際ブランドはVISAかMastercardのいずれかを選択でき、国内・海外旅行傷害保険や年間最高500万円の動産保険といった付帯サービスも豊富で年会費相応のパフォーマンスを擁しています。
ダイナースクラブ ビジネスカード | |
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年会費 | 27,000円(税抜) |
追加カード | 無料 |
利用限度額 | 一律の制限なし |
ポイント還元率(基本) | 1% |
国際ブランド | ダイナース |
主な付帯サービス | JAL国内線出張手配、国内・海外旅行傷害保険、ゴルフ場優待予約 |
ダイナースクラブ ビジネスカードは27歳以上の法人代表者・役員または個人事業主が対象であり、限度額に一律の制限がなくボーナス一括払いやリボ払いに対応しているステータスの高い法人カードです。
さらにゴルフ場の優待予約サービスやホールインワン・アルバトロス費用の補償といったゴルファー保険が付帯するため、接待でゴルフコンペに参加する機会が多い場合は選択の余地があります。
ステータスの高い法人カードはビジネスチャンスを拡張する効果がある
ステータスの高い法人カードは所有者の社会的信用や事業の安定性を表わすため、ビジネスチャンスを拡張する効果があります。
身に着けているスーツや腕時計の質で所有者のステータスが測られる点と同じく、法人カードのランクも自身の評価を左右する重要なアイテムです。交渉や商談を優位に運びたい場合は、ステータスの高い法人カードの運用を検討してみてはいかがでしょうか。