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2019.04.13
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法人カードの連帯保証人は誰にするべきか法人・個人事業主の場合ごとに解説

会社の経費の支払いに便利な法人クレジットカードですが、法人カードを契約する際には「連帯保証人」が必要な場合がほとんどです。

連帯保証人とは、法人カードの支払いが滞った際、借り主と同等の支払い責任を負う人のことです。連帯保証人は、主たる債務者の支払いの保証をする役割を担っているため、法人カードを契約した主債務者以外でなければならないというルールがあります。

ただ、法人カードの連帯保証人の扱いは、クレジットカードの契約者が法人登記をした「企業・事業者(法人)」か、企業に属さない「個人事業主」かによって違います。

今回は、法人・個人事業主の場合にそれぞれ分け、法人カードの連帯保証人を誰にしたらよいのかをわかりやすく解説します。

法人代表者の場合は代表者自身を連帯保証人にできる

法人登記をした企業・事業者(法人)が法人カードを作成する場合は、法人代表者自身を連帯保証人にすることができます。この場合、法人カードの主たる債務者にあたるものは「法人」です。

ところが、法律上は「法人」と「法人代表者」は独立した法的人格を持ち、それぞれ別個の財産を持つと解釈されているため、「法人代表者」自身を連帯保証人にすることができます。

もちろん、「法人経営者」以外でも、法人の内部の人間なら誰でも連帯保証人に任命することができます。ただし、法人カードの連帯保証人の責任は非常に重いため、トラブルの原因となることがあります。

また、法人カードの審査では法人代表者の信用情報もチェックされるため、法人代表者を連帯保証人にしておくと代表者の財産が信用に加味され、審査に通りやすくなるといわれています。そもそもクレジットカード会社によっては、法人カードの支払いが滞った場合は法人代表者が連帯責任を負うと規定しているところもあるため、その場合は代表者が連帯保証人になります。

個人事業主の場合は事業主以外に別の連帯保証人が必要

一方、「個人事業主」として法人カードを作成する場合は、「個人事業主」自身を連帯保証人にすることはできません。この場合は、法人カードの主たる債務者にあたるものは「個人事業主」自身となります。

法人の場合と違い、法律上は個人事業主としての屋号そのものに法的な人格がないため、個人事業主の財産と個人事業主の屋号に属する財産を個別にカウントすることができません。したがって、個人事業主が法人カードを契約する場合は、個人事業主以外の第三者を連帯保証人に立てる必要が出てきます。

連帯保証人は主たる債務者と同等の責任を負うことになるため、法人カードの連帯保証人選びは慎重に行いましょう。ご家族や親類の方、長年の関係のある友人などを連帯保証人にするケースが多いですが、連帯保証人のリスクをきちんと説明した上で、厚い信頼をおける方に連帯保証人を依頼するとよいでしょう。

法人カードの連帯保証人は通常の保証人よりも責任が重い

保証人には通常の「保証人」と「連帯保証人」の2種類があり、法人カードではカード会社に「連帯保証人」を要求されることが多いです。保証人と連帯保証人の違いは、連帯保証人の方がより債務に対する責任が重いところにあります。

通常の保証人とは、主債務者に支払い能力がないと認められた場合のみ、債務の全額を支払う義務を負う存在です。したがって、債権者に支払いを求められた場合でも、まずは主たる債務者に請求するように抗告する「催告の抗弁権」、「検索の抗弁権」を持っています。また、保証人が複数立てられている場合は、債務を人数で割った金額のみ支払う義務が発生します。

一方、連帯保証人は通常の保証人と違い、債権者の請求に対して抗弁する「催告の抗弁権」、「検索の抗弁権」がありません。仮に主債務者の支払い能力があるのにもかかわらず、法人カードの支払いをしていない場合でも、主債務者の代わりに返済義務のすべてを負うことになります。また、保証人のような金額の頭割制度もないため、請求された金額の全額について返済義務を追うことになります。

法人であれ、個人事業主であれ、法人カードの連帯保証人を立てる場合は、連帯保証人が非常に重い責任を課された存在であることを理解しておきましょう。

法人カードの支払いが滞ると連帯保証人の信用情報にも傷がつく

クレジットカードの支払いが滞りつづけると、クレジットカードの利用履歴に傷がつきます。これは法人カードでも例外ではなく、法人カードの督促を無視し続けた場合は、主債務者だけでなく、支払いを肩代わりする連帯保証人の信用情報にも傷がついてしまいます。最悪の場合は、信用情報機関のブラックリストに載ってしまうこともあります。万が一、引き落とし日に支払いができそうにない場合は、法人カードを発行したクレジットカード会社に相談するなどしてみましょう。

法人カードを導入する際はトラブル防止のために社内ルールの作成を

法人向けのクレジットカードは追加カードを発行できるため、従業員に法人カードを渡し、経費の支払いに利用してもらっている方も多いでしょう。しかし、万が一追加カードを渡した従業員が金融事故を起こした場合、すべての責任は連帯保証人が負うことになります。

したがって、法人カードを従業員に発行する場合は、誓約書の作成や社内規定の周知を行い、責任の所在を事前に明らかにしておきましょう。法人カードの利用範囲を制限したり、法人カードの使用の際に上司への申告を義務化したりするだけでも、法人カードでトラブルが起こるリスクを軽減できます。

法人カードを別の人に引き継ぐ際は連帯保証人を変更すること

自らが代表取締役から外れたり、退社したりした後で、法人代表者として作成した法人カードを社内でそのまま使いたいといわれる場合があります。この場合に法人カードの未払いが起こると、社内にもう籍が存在しなかったとしても、請求先はあなた自身のままになってしまいます。なんらかの形で法人代表者を退くときは、既存の法人カードを解約して新たな法人カードを作成するか、法人カードの名義変更を行うなどして、必ず引き継ぎを済ませておきましょう。

法人であれ個人事業主であれ法人カードの連帯保証人選びは慎重に

今回は、法人カードの連帯保証人を誰にすればよいのか、法人の場合と個人事業主の場合にわけて解説してきました。

法人登記をした企業・事業者の場合は、法人と法人代表者は別個の法的人格を持つため、法人代表者自身を連帯保証人にすることができます。一方、個人事業主の場合は個人事業主以外の第三者を連帯保証人に立てる必要があるため、ご家族や親類、友人など信頼できる人を選びましょう。

連帯保証人は主債務者と同等の責任を負うことになるため、法人カードの支払いが滞らないよう気をつけるのはもちろん、トラブルを回避するための手を打っておきましょう。

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