事業での経費を支払うためにJCB法人カードの利用を検討している事業主はいるはず。法人カードを利用するときに注意すべき点は締め日と支払日を知っておき、適切に利用金額を支払うこと。
特にカードの支払日を知らずに口座に資金を入金しておかないと、遅延損害金が発生したり信用が落ちたりします。利用金額の支払いが遅れることでローンやカードの審査が厳しくなるのです。
締め日と支払日だけでなく、利用金額を支払えない時の対処法を知っておけば安心。JCB法人カードの締め日と支払日を紹介して、注意点や入金が遅れる時の対策方法を解説します。
JCB法人カードの支払いについて
JCBカードでは締め日と支払日が統一されていて、以下のように決められています。
- 締め日:毎月15日
- 支払日:翌月10日(土日祝日の場合は翌営業日)
締め日に引き落とす利用金額を仮確定して、支払日に確定した利用金額を口座から引き落とします。例えば2月16日から3月15日までにカードの1回払いで3万円を利用すると仮定。
この場合は3月15日の締め日に3万円の支払額が仮確定されて、4月10日に3万円が口座から引かれます。4月10日が日曜日の場合は4月11日に支払日が延びるのが注意すべきポイントです。
もし支払日に3万円が口座になかった場合、引き落とせなくなりカードの利用が停止されるので注意しましょう。請求書を確認して支払い金額と支払日を把握しておくことが重要です。
締め日とは?
JCB法人カードを含むクレジットカードでは利用者がお金を一時的に借りることで決済できます。締め日は期間内に発生した利用金額を計算して、請求する金額を仮確定する日です。
あくまでも締め日に支払金額を仮確定するのであり、口座から引き落とされる金額を確定していません。締め日の後でもサポートに相談することで引き落とし金額を減らすことは可能です。
例えば30万円もの経費をカードで支払ったとして、支払い日までにお金を用意できないとします。この場合は支払い方法を後から変更することで、支払日の請求額を安くできるのです。
JCB法人カードの支払いを変更できる期間は「お支払い方法・金額の変更締切日」を見ることで分かります。支払日の変動や土日祝日などで変更締切日は変わるので注意しましょう。
支払日とは?
カードで利用した金額が実際に引き落とされるのが支払日です。支払い方法を変更しない場合は締め日に仮確定した利用金額がそのまま引かれて、カード会社にお金を返済します。
例えば3月15日に10万円の利用金額が仮確定されると、何もしなければ4月10日に10万円が口座から引き落とされるのです。支払い方法を変更すれば10万円より引き落とし金額を安くできます。
お金が引き落とされる時間帯は金融機関によってちがうのが特徴。支払日の早朝に引き落とされる場合もあるので、支払日の前日までに資金を口座に入れておくことがオススメです。
支払日にお金を返済できないと、社会的信用や遅延金によりデメリットが発生します。後になって自分が不利益を被らないよう、請求金額を確認してお金を入金しておきましょう。
各種カードの締め日と支払日
JCB法人カードには複数の種類があり、全て同じ締め日と支払日が適用されます。対象となるカードは以下の通りです。
- JCB法人カード/一般カード/ゴールドカード/プラチナカード
- JCBビジネスプラス法人カード/一般カード/ゴールドカード
- ANA JCB法人カード/一般カード/ワイドカード/ワイドゴールドカード
- シナジーJCB法人カード/一般カード/ゴールドカード
- コスモコーポレートJCBカード/一般カード/ゴールドカード
- ETC/JCB法人一般カード/JCB法人ゴールドカード
- シェルビジネスカード
例外としてガソリンスタンドと連携しているJCB法人カードでは、一部の支払い金額における締め日と支払日が変わる場合があります。締め日と支払日に例外があるカードは次の3つ。
- シナジーJCB法人カード/一般カード/ゴールドカード
- コスモコーポレートJCBカード
- シェルビジネスカード
これらのカードにおける締め日と支払日について詳しく解説します。
シナジーJCB法人カード
カードの支払金額に応じて1カ月間の給油が値引きとなるのがシナジーJCB法人カードです。シナジーJCB法人カードの締め日は対象のSSでの支払いとSS以外の支払いで変わります。
- 対象SSで利用した場合の締め日:毎月10日
- 対象SS以外で利用した場合の締め日:毎月15日
支払日は請求書に記載された引き落とし日を確認することで把握できます。SSで利用した金額の請求日とSS以外で利用した金額の請求日は異なる場合があるので注意しましょう。
コスモコーポレートJCBカード
クレジット価格でお得に給油できて、支払い猶予が長いメリットをもつのがコスモコーポレートJCBカード。コスモでの支払いとJCB加盟店での支払いで締め日と支払日は変わります。
- コスモサービスステーションで利用した場合の締め日:毎月末日
- コスモサービスステーションで利用した場合の支払日:翌々月10日
- JCB加盟店で利用した場合の締め日:毎月15日
- JCB加盟店で利用した場合の支払日:翌月10日
利用方法に関わらず支払日が土日祝日であった場合は翌営業日に利用金額が引き落とされます。請求額と請求日はカードご利用代金明細書を確認することで簡単に知ることが可能です。
コスモで利用した場合は支払い猶予が1ヵ月以上あり、資金練りが楽になるメリットがあります。経費で給油する場合は猶予が長いコスモコーポレートJCBカードを利用することがオススメです。
シェルビジネスカード
サービスステーション専用の社員向けカードを発行できるのがシェルビジネスカードです。追加で発行したカードはJCBカードとまとめて請求されて、以下の締め日と支払日で利用できます。
- 昭和シェルサービスステーションで利用した場合の締め日:毎月末日
- 昭和シェルサービスステーションで利用した場合の支払日:翌々月10日
- ETCスルーカードで利用した場合の締め日:毎月末日
- ETCスルーカードで利用した場合の支払日:翌々月10日
- JCB加盟店で利用した場合の締め日:毎月15日
- JCB加盟店で利用した場合の支払日:翌月10日
利用者はJCBカードでのご利用明細書と昭和シェル専用明細、ETCの専用明細を確認することが可能です。複数ある支払い金額と支払日を前もってチェックしておきましょう。
締め日と支払日における注意点
JCB法人カードを利用するには締め日と支払日の性質を知っておくことが重要です。支払いについて誤った認識をしてしまうと、返済の遅延や信用問題が発生する場合があります。
カードを利用する前に知っておくべき締め日と支払日の注意点は次の4つ。
- JCB法人カードは締め日と支払日を変更不可
- カードの利用日にはズレがある
- 支払いが遅れると遅延損害金が発生
- 支払いの遅延で審査が厳しくなる
それぞれ詳しく解説します。
JCB法人カードは締め日と支払日を変更不可
利用金額の仮確定と引き落としはJCBにより決められていて、利用者が変更することは不可能です。カードの種類やブランドの違いに関わらず、同じ締め日と支払日が適用されます。
例えばアメリカン・エキスプレスのビジネスカードでは利用する金融機関によって支払日と締め日を変更することが可能。都合のよい締め日に変更することで資金練りが楽になります。
都合のよいスケジュールでお金を返済できず、支払い猶予を伸ばせないのがJCB法人カードの欠点。締め日と支払日を変更したい人は複数の締め日に対応した法人カードの検討を勧めます。
カードの利用日にはズレがある
JCB法人カードで決済した場合、利用日の登録は店舗によって遅れる場合があります。決済データが送信されることで利用金額が反映されて、登録日によって請求日が遅れるのが特徴。
例えば3月15日にJCB加盟店で3万円の支払いを法人カードで決済したとします。通常では締め日は毎月15日であるため、4月10日に利用者の口座から3万円が引き落とされるものです。
ですがカード会社に決済データの送信が遅れた場合、利用日は3月15日でも支払日が5月まで遅れます。支払日が遅れることで引き落としに対する認識が間違ってしまい、資金練りが厳しくなることも。
引き落とされる利用金額を正しく把握するために、明細書で利用日や請求額を確認しておきましょう。
支払いが遅れると遅延損害金が発生
JCB法人カードを含むクレジットカードでは支払日に請求額が引き落とされないと、支払日から入金が完了する日まで遅延損害金が発生します。遅延損害金の計算方法は次の通り。
遅延損害金=確定した利用金額×遅延損害利率÷365×支払い期日より経過した日数
遅延損害利率は一般的に14.6%であり、支払日から返済が遅れた日数を計算式に入れることで遅延損害金を把握できます。10万円の支払いを10日間遅れた場合、支払う遅延損害金は400円です。
支払いが遅れて遅延損害金が発生した場合、サポートセンターに問い合わせることで損害金の金額を確認できます。カードの発行会社がJCBの場合は「JCB調査デスク」で相談しましょう。
発行会社がJCB以外の場合は手持ちのカード裏面にある発行会社に問い合わせることで遅延損害金を確認できます。無駄な手数料を支払わないために前もって入金しておくことが重要です。
支払いの遅延で審査が厳しくなる
利用金額の支払いを繰り返し遅延していると、社会的な信用が悪くなるデメリットがあります。返済の遅延でクレジットヒストリーに記録が残り、金融機関からの印象が悪くなるのです。
クレジットヒストリーは信用情報機関が保存していて、あなたの借入額やクレジットスコアを確認できます。信用情報に問題があると利用限度額の引き下げやカード会社の審査が厳しくなるのです。
信用情報機関以外にもカード発行会社がクレジットヒストリーを保存している場合があります。カード会社に保存された情報は時間が経っても残り続けて、その会社のカードを作りにくくなるのです。
もし支払日に引き落としできずJCB法人カードが強制解約された場合、JCBに関連したカードは発行できなくなる可能性が高くなります。信用のためにも支払いの遅延は防ぎましょう。
支払いが遅れそうなときは?
「資金が足りなくてカードの支払いが遅れるかもしれない」と悩む人も中にはいるはず。JCB法人カードを利用していて支払いが遅れそうな時に使える対処法は次の3つです。
- あとから変更を利用する
- サポートに相談する
- 金融機関からお金を借りる
それぞれの対処法を簡単に解説します。
あとから変更を利用する
JCB法人カードで1回払いした利用金額をあとから分割払いに変更する方法があります。1回払いをあとから変更することでお支払金額や回数を変更できて支払い額を減らすことが可能です。
支払い方法を変えるには支払日の前に設定された変更締切日までに支払い方法を変更することが必要。MyJCBで設定するかサポートデスクに電話することで利用金額を分割で支払えます。
分割払いは2回までであれば手数料無料で利用できて、コストを支払うことなく負担を減らせるのがメリット。資金が多少ある人は分割払いに変更して支払い遅延を防ぎましょう。
サポートに相談する
カード裏面にあるサポートデスクに電話で相談することで、支払いの遅延を対処できる場合があります。電話するときは以下の項目を答えられるよう準備しておくことがオススメです。
- 利用金額の支払いが遅れる理由
- 現在の資産や状況
- 利用金額が支払える日時
サポートデスクでは支払いの遅延に対する対策マニュアルがあるため、相談すれば対処してくれる場合もあります。相談せずに遅延するとカードを強制解約される場合があるので、必ずサポートに相談しましょう。
金融機関からお金を借りる
カードローンやキャッシングを利用することでお金を借りて、支払日までに利用金額を用意する方法があります。近くにあるコンビニで手続きするだけで支払いの遅延を防げるのがメリット。
お金を借りることで支払い猶予を作れて、その間に不要な備品を売ったり日雇いで働いたりすることで問題なく返済できます。支払いに猶予が欲しい人にオススメの方法です。
まとめ
JCB法人カードは毎月15日が締め日であり、翌月10日が支払日。締め日や支払日を変更することは不可能ですが、一部のカードでは利用した場所によって締め日が異なる場合があります。
普段から利用明細書を確認しておき、支払いが遅延しないように入金しておくことが重要です。クレジットヒストリーや手数料の支払いを防ぐために、支払日を把握してお金を用意しましょう。