- カテゴリー
企業や個人事業主の方が法人カードを使ったキャッシュレス化を検討される理由の1つに毎月の交通費の精算が大変だからというものがあります。
出張費や接待などが発生するのは不定期ですが電車やバスの乗車料金は営業活動をおこなっている企業であれば毎月決まって発生します。
しかも従業員が増えれば増えるほど、交通費精算をする事務処理の手間は大変大きな負担になります。
そんな負担を減らすのに便利なのが、法人カードで支払いが出来る交通系ICカードです。
ICOCAの特徴
ICOCAは2003年にJR西日本で導入されたプリペイド式の交通系ICカードです。
関西ではPiTaPaと並ぶ主要ICカードですが、PiTaPaが導入されるより1年早く導入されました。
ICOCAはポストペイ式のPiTaPaと違って、プリペイド式なので審査不要で手軽にもて、使いすぎる心配がありません。
そのため、子どもの通学や通塾のために持たせても安心だし便利という点もあり、幅広い年代層の人に普及しました。
サービス開始当初は利用できるエリアが、関西の中心である京阪神だけでした。
しかし、現在では、東は金沢から西は南岩国まで利用エリアが広がり高松などJR四国の一部や関西の私鉄でも利用されています。
さらに、交通機関での利用だけでなくコンビニエンスストアや自動販売機、家電量販店、レストラン、そのほかのICOCA加盟店での買い物やNintendo3DSでの決済にも使えるようになっています。
また、小学生以下のお子さまには、小人料金が適用されるこどもICOCAがあります。
さらに、2018年10月からICOCAポイントサービスがはじまりました。
カードの利用に応じてポイントがたまるうえ、特定区間を往復するとポイントがついたり、日中など時間帯に応じてポイントが貯まるなど追加ポイントもあります。
チャージし忘れや通勤・通学に便利なSMART ICOCA
関西で暮らす人にとってはお財布を忘れてもICOCAがあれば大丈夫というぐらい便利なカードですが、プリペイド式ICカードならではの不便な点もあります。
ICOCAはプリペイド式なのでカードがあっても残高がなければ使えません。
そのため気をつけておかないと、タッチして改札を抜けようとした時に残高不足で通れなかったなんていうこともあります。
毎回チャージするのは面倒、まとめてチャージするからカードを落とさないか不安という方には、ポストペイ式のSMART ICOCAがあります。
SMART ICOCは作成時に料金を決済するクレジットカードを登録しておくことで使った分を自動的にクレジットカードの請求とあわせて支払うことができるものです。
SMART ICOCAが経費清算を楽にする
SMART ICOCAを申し込みする際は、利用する個人の名前で申し込みすることが必須条件となっています。
でも、会社の経費清算や事務処理を楽にしたいから従業員へSMART ICOCAを持たせたいのに個人名義のカードだったら支払いも個人の口座から引き落としになるのでは?と心配されるかもしれません。
しかし、そんな心配は無用です。
SMART ICOCAの申し込み自体は、カード利用者(従業員本人名義)ですが決済用として法人名義のクレジットカードを登録することができます。
法人名義のクレジットカードを登録しておけば、SMART ICOCAでチャージした金額はすべて法人名義のクレジットカード利用分として請求が上がるので、仮払いしたり、従業員ごとにいちいち経費を計算して立替交通費の清算をする手間はありません。
出張が多い従業員もSMART ICOCAがあれば、出張の度にかなりの金額を立替える必要がなく負担が減ります。
自動券売機などでカードの利用履歴を印字することができるので、定期的に履歴を印字して提出してもらえば管理も楽になるでしょう。
ただし、同じJRのSuicaではApple Payが使えますが、ICOCAではApple Payが使えませんので注意が必要です。
ICOCAで使えるクレジットカード一覧
ICOCは入金機、自動券売機、のりこし精算機、駅員のいる窓口、ICOCA加盟のお店などでチャージすることができます。しかし、通常のICOCAは現金でしかチャージすることができません。
しかし、SMART ICOCAの場合はクレジットカードが登録されているので、現金がなくても簡単にチャージすることが出来ます。
営業などで交通機関を利用する頻度が多い従業員がいると利用経路と金額を書いたものを提出させ、チェックするのは、従業員・経理担当者も共にとても手間と労力がかかって大変でしょう。
そんな時に便利なのが、SMART ICOCAを従業員に持たせ、交通費を法人のクレジットカードで決済する方法です。
ここではICOCAで使えるクレジットカードについてみてみましょう。
おすすめの法人クレジットカード
SMART ICOCAを作るには必ずクレジットカードの登録が必要です。
SMART ICOCAの決済用クレジットカードとして指定できるのは下記10ブランドのクレジットカードがあります。
- J-Westカード
- JCB
- UFJカード
- MUFGカード
- AMEX(アメリカン・エキスプレス)
- VISAカード
- UCカード
- Master Card
- Diners Card(ダイナースクラブカード)
- DCカード
使用できる法人クレカの種類一覧
SMART ICOCAで使える10ブランドにはそれぞれ下記のような法人クレジットカードがあります。
ただし、法人カードを使ってSMART ICOCAを申し込む際には注意が必要です。
法人や個人事業主の方が法人カードやビジネス用のクレジットカードを使って申し込みする際は
- 利用するクレジットカードが日本国内で発行されているもの
- SMART ICOCAの名義と同じ名前が記載され ているクレジットカードであること
という条件があります。
2のクレジットカードの名義については、利用する従業員の名前である必要があります。
通常、法人カードの場合、カードに記載されるのは社名や代表者名となります。
しかし、親カードが代表者名の場合でも、追加カードに個人名を入れられるものもあります。
さらに、従業員名義の法人カードを複数枚発行することができるカードもありますので、こうしたカードを作っておくとスムーズに手続きできるでしょう。
ブランド名 |
法人クレジットカード |
JCB |
JCB法人カード/ JCBゴールド法人カード/ JCBプラチナ法人カード/ JCBコーポレートカード/ JCBビジネスカード/ JCBエクスプレスコーポレートカード/ ANA JCB法人カード/ ANA JCB法人カード ワイド/ ANA JCB法人カード ワイドゴールド/A-プライス JCB法人カード/オートバックスパートナーズカード/ オートバックスパートナーズカード(ゴールド法人カード)/ カーエネクスパートナーズJCBカ-ド/コスモコーポレートカード/ コスモコーポレートカード(ゴールド法人カード)/ 3〇1バイヤーズJCBカード(一般法人カード)/ 3〇1バイヤーズJCBカード(ゴールド法人カード)/ シェルビジネスカード(JCBカ-ド)/ シェルビジネスゴールドカード(JCBカ-ド)/ シナジーJCB法人カード/ シナジーJCBゴールド法人カード/ 首都高ビジネスカード/ 首都高ビジネスカード(ゴールド法人カード)/ Chambers JCB事業所カード/ Chambers JCB事業所カード(ゴールド法人カード)/ Medical Owner’sカードJCB/ Medical Owner’sカード/JCB(ゴールド法人カード)/ Medical Owner’sカード/JCB(プラチナ法人カード)/ JCBコーポレートカード/ JCBビジネスカード/ JCBエクスプレスコーポレートカード/ JCBエクスプレスビジネスカード |
UFJカード |
UFJカードビジネスクラブ一般法人カード/UFJカードビジネスクラブゴールド法人カード/UFJ Card JCBコーポレートカード |
MUFGカード/DCカード |
MUFGカード・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード |
AMEX(アメリカン・エキスプレス) |
アメリカン・エキスプレス®・コーポレート・カード |
VISAカード |
三井住友ビジネスカードfor Owners |
UCカード |
UC法人カード 一般 |
Master Card |
DC法人カード |
Diners Card(ダイナースクラブカード) |
ダイナースクラブ ビジネスカード |
DCカード |
DC法人カード(一般) |
注意点
上記にあげた法人カード、ビジネスカードはJR西日本のホームページで使用できると表示されている10ブランドに対応したビジネス用のクレジットカードです。
ただしSMART ICOCAでは国内発行、利用者本人名義という制約があるので、SMART ICOCAのためにこれからクレジットカードを作る場合はSMART ICOCA問い合わせ
0570-015-015/078-382-8655
(9:00~18:00 年中無休)
に作ろうとするクレジットカードが対応しているか確認しておくと安心して手続きをすすめられるでしょう。
また、SMART ICOCAのチャージを法人用クレジットカードでおこなえるようにするには、申し込み時など事前に法人カードを利用して決済することを届け出ておかなければいけません。
特に注意が必要なケースとしては既に従業員がSMARTICOCAを持っており、そのSMART ICOCAを仕事だけで使うようにする場合です。
申し込み時に本人のクレジットカードを登録しているはずなので、何も手続きしなければ、名義本人のクレジットカードへ請求がきてしまいます。
そのため、クレジットカード変更の届けをしなければいけませんが、変更はWEB・郵送・対面のいずれかですることが可能です。
【WEB】
JRおでかけネットのホームページへアクセスし、J-west会員限定メニューにある会員サポートへログインしましょう。
ログインしたらSMART ICOCA決済用クレジットカード変更というところがありますのでそこから申請しましょう。
【郵送】
郵送での手続きを希望する場合はSMART ICOCA問い合わせダイヤルに電話すると必要な書類を郵送してくれます。
SMART ICOCA問い合わせ
0570-015-015/078-382-8655(9:00~18:00 年中無休)
※電話で郵送を依頼する場合は、本人確認が必要になると考えられますのでカード名義人が電話するようにしましょう。
【対面】
大阪駅Club J-WESTサービスコーナー(日本旅行Tis大阪支店内)で変更の申込みができます。
決済用のクレジットカードと本人確認書類が必要です。
個人名義のクレジットカードから法人名義のクレジットカードへ変更する場合ですので、SMRT ICOCAの名義人である従業員が内容をよく理解していない場合はWEBや郵送など経理や事務の担当者など分かっている人がいる状況で手続きをするのが良いでしょう。
店舗で手続きする場合は経理担当者など分かる方が同席するか、事前に電話で必要な書類などを確認しておくとスムーズに進むでしょう。
チャージ方法や使い方
SMART ICOCAをチャージする方法としては、クイックチャージ機でのチャージと自動券売機でのチャージがあります。
【クイックチャージ機】
JRの駅の改札近くなどに設置されているクイックチャージ機にSMART ICOCAを差し込みます。すると金額が書いてある丸いボタンのランプが光るので、チャージしたい金額のボタンを押します。
領収書が必要な場合は領収書発行ボタンを押しましょう。
クイックチャージ機の画面でチャージ完了となればSMART ICOCAを機械から取り出して使えます。
【自動券売機でチャージ】
自動券売機の画面でチャージ(入金)するを選びます。
ICカードを入れてくださいと表示されたら、SMARTICOCAを入れてください。
カードを入れるとメニューが表示されるのでクイックチャージを選択します。
次の画面でチャージする金額の候補が表示されますので、チャージしたい金額を押します。
金額を押したらチャージの控えが必要か不要か聞かれるのでどちらかを選択してください。
画面にありがとうございますと表示されたらチャージが完了です。
その他おすすめの電子マネー
その他のおすすめ電子マネーとして関西で交通機関を使っての移動が多い方にはPiTaPaがおすすめです。
PiTaPaは姫路から名古屋(岡山県の一部含む)にかけてのPiTaPaエリアとJR西日本のポストペイエリアで利用できるポストペイ(後払い)タイプのICカードで利用状況に応じた割引があります。
ポストペイタイプのため、発行する際に審査があります。
通常のICOCAと比較すると審査があるという煩わしさがある反面、PiTaPaはオートチャージという方式を採用するので、いちいちチャージする手間が必要ありません。
PiTaPaカードは法人契約することはできません。
しかし、法人用のクレジットカードを作ったあとに、PiTaPaカードを作って、カード利用分を法人口座から引き落とすことは可能です。
これから法人カードを作る場合、PiTaPaを申し込むのであれば、三井住友ビジネスカードfor Ownersがおすすめです。
三井住友ビジネスカードfor Owners発行後にPiTaPaカードを追加発行すると、PiTaPaカード利用分が三井住友ビジネスカードfor Owners の明細に掲載されるようになります。
三井住友ビジネスカードfor Ownersでは従業員用のカードが作れるので、この追加カードをつくれば、それに伴ってPiTaPaカードも作ることができます。
まとめ
ICOCAは関西で交通機関を使って移動する人にとってはとても便利なICカードです。
特に最近ではICOCAを使える店舗もかなり増えているので、訪問時の手土産や文具といった経費で処理するものもICOCAで買うことができます。
そのため、クレジットカードと連動しているSMART ICOCAを上手に使えば、経費精算の手間が大幅に省かれます。
これにより、経理担当者はもちろん、従業員も経費精算以外の業務に時間をあてることができ会社全体の生産性が高まります。
また、従業員へ現金で直接支払うのではなく、クレジットカード利用分として支払うので猶予期間が長くなり、資金繰りの改善にも役立ちます。
関西にある会社や関西への出張が多い方はSMART ICOCAを上手く活用するのがおすすめです。