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2019.04.13
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法人カードの不正利用を防ぐ4つの社内ルール!貸与者を選ぶ・使い道を決める・上司への報告・領収書の義務づけ

従業員に法人カードを持たせる場合は、カードの使い方や利用目的について社内ルールをつくりましょう。法人カードには経費精算を一元化できるメリットがある一方、プライベートな目的で不正利用されるリスクがあります。追加のメンバーカードを発行すればするほど、抜け穴のない社内ルールが必要です。

そこで今回は、法人カードの不正利用を防ぐ社内ルールのモデル例を4点ご紹介します。法人カードの導入を検討している方や、法人カードの社内ルールをまだ整備していない方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.法人カードを貸与する社員を限定する

法人カードの種類やグレードによって、追加のメンバーカードの発行枚数が決まっています。法人カードの貸与者を限定することで、不正利用をチェックしやすくなります。一般的には、役員、管理職、幹部社員のような信頼できる立場の人物に限り、法人カードを貸与するケースが多いです。役員や役職者であれば、顧客への接待業務や、商談の際のタクシー代などで法人カードを使う場面も多く、カードを持たせるメリットも大きいです。

ただし、備品や資材の管理担当や、外回りの営業などに法人カードを持たせ、社内の経費精算を一元化したい人もいるでしょう。その場合は、持たせたい従業員を法人カードの名義人にする代わり、役職者や直轄の上司を「カードの管理者」にして、必要な際に貸し出すルールを設けると不正利用を抑止できます。

2.法人カードの使い道や利用限度額を設定する

法人カードを決済に利用できる範囲や、カードの限度額とは別に利用上限を設定することも、不正利用の防止に役立ちます。たとえば、交通費、ガソリン代、特定の備品購入などの経費にのみ法人カード決済を許可することで、それ以外のカード利用を制限できます。担当部署ごとに経費の具体的内容が異なるのであれば、きめ細かくルールを設けるとより効果的です。

経費の支払いに要するおおよその金額がわかっているならば、経費の種類にあわせて、法人カードで一度に決済できる限度額を設定しておくことも重要です。これにより、常識的な枠を超えて法人カードが使えなくなるばかりか、結果的には月々の経費の引き締めにもつながります。

3.通常と異なる使い道の場合は上司への報告を義務づける

日々の業務によっては、社内ルールに定められた利用目的以外にも経費の支払いが発生する可能性があります。その場合は通常と異なる使い道に限り、直属の上司に使い道・場所・相手などを報告する事前承認制を導入しましょう。これにより不適切な法人カード利用を避けつつ、柔軟な事業運営ができます。

4.領収書の提出を義務づけカード利用明細とダブルチェックする

法人カードを使ったあとでレシート、クレジット売上票、領収書などの証憑書類の提出を義務づけることで、法人カードの不正利用を抑止できます。あとで法人カードの利用明細とダブルチェックすることで、従業員のカードの使い道をほぼ確実に推定できるからです。

また、そもそも法人カードを経費に使ったことを証明するには証憑書類が必要です。法人カード決済の場合、レシートやクレジット売上票は正式な証憑書類となりますが、「クレジット払い」と記載された領収書はそうではないので注意しましょう。手書きの領収書であれば正式に証憑書類として認められます。

法人カードの私的利用は業務上横領に当たる

会社から支給された法人カード、ETCカードやガソリンカードを従業員がプライベートな目的で使用した場合、会社のものを不正に専有したとして業務上横領罪が成立します。業務上横領は民事ではなく、刑事事件に当たるものであり、もし発覚した場合は刑法によって裁かれることになります。

社内ルールをきめ細かく設定し、なおかつ従業員全体に周知徹底することで、法人カードの不正利用を事前に抑止することが大切です。また、領収書とカード利用明細のダブルチェックなどにより、万が一社員の不正利用があった場合に気づくことができるチェック機能を設ける必要もあります。

法人カードの不正利用でよくあるケースを理解しておく

法人カードを持つ社員が不正利用をする事例としては、会社のカードをプライベートな目的に利用するケースや、経費以外の物品を購入してしまうケースが挙げられます。法人カードの不正利用の最たるものは、ガソリンを自分の車に給油するケースです。この場合は、利用明細に車番が記載されないセルフスタンドでの給油を禁止するなどで、不正利用を抑止できます。このように法人カードの使い道を細かくルール化しておくのが大事です。

社内ルールは「社内規定」として明文化し必要ならペナルティも設ける

可能であれば、法人カードの社内ルールを社内規定として明文化し、従業員全体にオープンな状態にしておくのが望ましいでしょう。法人カードの運用に疑問が生じた場合は、現場の声を活かし、柔軟に社内規定を改正できます。また、日本の税制は「申告納税制度」であるため、法人カードの経費利用についての「証拠や形式」を内外に向けて整えておくことは重要です。

さらに法人カードの社内規定に違反した際のペナルティを設けることで、ルールをより遵守してもらえます。ただし、いきなり懲戒処分では非合理的であり、なおかつ就業規則として事前に定めていないのであれば、労働契約法に違反する可能性があります。そのため、比較的悪質ではない法人カードの不正利用については始末書を書かせるなどして、再発防止策を検討しましょう。

法人カードの貸与者が退職した場合の社内ルールも決めておく

法人カードを貸与した社員が退職した場合、カードの取扱いには注意が必要です。まずは社員が退職する際、法人カードを持ちつづけるとクレジットカード会社の規約違反となりますので、カードの返却を義務づける社内ルールを設けましょう。法人カードは会社の経費の支払いのためのカードのため、退職後も保持することは業務上横領罪に当たる可能性があります。

また、退職した社員の名義の法人カードを別の社員に貸与することも、クレジットカード会社の規約違反となります。この場合は法人カードの名義変更手続きを行うか、新たに追加のメンバーカードを発行するなどして、カードの使い回しは避けるようにしましょう。

法人カードの不正利用を防ぐには抜け穴のない社内ルールが必要

以上、法人カードの不正利用を防ぐ4つの社内ルールを紹介してきました。

貸与者を限定することや、使い道や限度額を細かく設定することによって、法人カードを経費の支払いのみに使ってもらうことができます。また、通常と異なる決済には上司の承認を必要とすること、領収書やクレジット売上票などの証憑書類の提出を義務づけることで、法人カードの利用状況を監視できます。法人カードの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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