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デビットカードと聞くと都市銀行やメガバンクが発行するものというイメージがあります。特に、主要都市にはない地方銀行でデビットカードを発行しているのはレアなのが実情です。
その中で、北陸銀行が2019年夏に新たにほくぎんJCBビジネスデビットを発行することを明らかにしています。では、ほくぎんJCBビジネスデビットとは一体どのようなカードとなるのでしょうか?
ここでは、ほくぎんJCBビジネスデビットの特徴などについて解説します。
ほくぎんJCBビジネスデビットカードとは
ほくぎんJCBビジネスデビットカードを発行するのは北陸銀行です。ここで注意したいのは、ほくぎんと略する金融機関としては、新潟県を中心に展開する北越銀行があります。
第四銀行と合併して規模を拡大している北越銀行は「ホクギン」と略するのに対し、北陸銀行の場合は「ほくぎん」とひらがなとなっている違いがあるので、間違えないようにしましょう。
北陸銀行は富山県富山市に本店を置く地方銀行であり、富山県の他にも石川県、福井県の北陸3県と北海道が主な地盤となっています。
特に富山県では圧倒的なシェアを誇っており、富山県、富山市、高岡市などの県下多くの市町村の指定金融機関を受託していることで知られています。
なぜ北海道にも地盤があるかというと、明治期の北海道移住者の中に富山県出身者が多かったという事実があるために北海道にも営業地盤を築いているのです、今でも富山県出身者が多いことから、北陸銀行を主要取引行とする道内企業は多く、更に道内の自治体としては釧路町が指定金融機関としているのです。
北陸銀行はバブル崩壊と金融危機の影響を受けて、財務内容が悪化したことにより、2004年9月に北海道銀行と経営統合してほくほくフィナンシャルグループが設立されました。
そんな厳しい時代もあった中で、2013年12月24日には本店建物が国の登録有形文化財(建築物)に登録されるなど、様々な面で注目を集める存在です。
ほくぎんJCBビジネスデビットカードの特徴
ほくぎんJCBビジネスデビットカードは2019年夏に搭乗が予定されている法人向けデビットカードです。
実は、個人向けのデビットカードは既に「ほくぎんデビット」という名称でサービスを行っていましたが、新たに法人向けデビットカードサービスを開始する運びになったというわけです。
ほくぎんJCBビジネスデビットカードの予定されているカードスペックは以下のようになっています。
・年会費:不明
・審査:なし
・ポイント還元率:0.5%
・海外ATM手数料:ATM設置機関所定の自動機手数料と利用代金の3.024%の事務手数料
・追加カード:あり
・利用限度額:口座残高による
・使用できる場所:JCBマークがあるお店
・申込条件:事業用の普通預金口座をお持ちの個人事業主・法人
年会費などの情報はまだ明らかになっておりませんが、既にサービスを提供しているほくぎんデビットとほぼ同等レベルのスペックになることが見込まれてます。また、ポイント還元があることはプレスリリースより明らかになっているのが特徴となっています。
北陸銀行だけでなく、ほくほくフィナンシャルグループに所属している北海道銀行でも同様に利用できるのも魅力的ですね。
また、JCB自体は2014年からデビットカード事業を行っていますが、法人向けのデビットカードとしてはほくぎんJCBビジネスデビットカードが初めてとなります。
これは、既にほくぎんデビットとしてJCBとVISAブランドカード発行実績があったことから実現したものと見られています。
メリット
ほくぎんJCBビジネスデビットカードは、普段の企業運営の中で欲しい機能が多く詰まったデビットカードです。例えば、クレジットカードでは支払超過などの問題をはらんでいるわけですが、デビットカードであれば残高内での仕様ができるなどの特徴があります。
主なほくぎんデビットのメリットとしては、次のような点があります。
- キャッシュレス決済が可能
- 経費の仕分けが容易
- 利用実績がリアルタイムでメール配信される
- Web明細が利用可能
- ポイント制度がある
では、各項目について具体的にどのようなメリットが有るのでしょうか?
キャッシュレス決済が可能!
ほくぎんJCBビジネスデビットカードの最大のメリットとしては、キャッシュレス決済が可能な点があります。昨今では電子マネーの普及により、現金で支払うのが手間に感じることが多々あります。
特に、小銭が貯まってしまうと財布が重くなり厚みもでてしまうので、それを敬遠している方も多く居ます。更に、レシートや領収書も保存して置かなければならないので負担が大きく感じます。
そんな時にほくぎんJCBビジネスデビットカードがあると、キャッシュレスでスマートに決済することが可能です。ほくぎんJCBビジネスデビットカードは国内外のJCB加盟店で利用することができるので、常に現金を持ち歩く必要はありません。
例えば急な出張や接待等においても現金で建て替えておいて精算するなどの手間がかかりませんし、そもそも現金を持っていることでリスクを回避することもできます。
複数カードの発行も可能となる見込みであり、各従業員に付与して現金管理をなるべく行わせないようにすることで、経理管理の簡素化も図ることができます。
オンライン決済も可能!
ほくぎんJCBビジネスデビットカードは実店舗などでの支払だけでメリットになるだけでなく、オンラインショッピングなどでもクレジットカードと同じ感覚で利用可能です。
もちろんデビットカードですので分割払いなどはできませんが、商品代金を振込むなどの手間はかかることはありません。
実店舗同様に、基本的に国内外のJCB加盟店で利用可能ですので、例えばオンラインで事務用品などを購入する際にしようすることも可能です。他では、旅行代金の支払などでもほくぎんJCBビジネスデビットカードを活用できると想定されます。
経費の仕訳が容易!
ほくぎんJCBビジネスデビットカードを利用した場合、利用明細にいつどの店舗で何を購入したのかが記載されます。
例えば現金決済をした場合には仕訳表でそれぞれの内容を帳簿として残しておく必要がありますが、ほくぎんJCBビジネスデビットカードの利用明細を確認すれば容易に仕分け可能です。
これによって、経理担当者だけでなく利用者からしても余計な手間を省くことができますし、仕分けミスなども防止できるのが魅力的です。
利用実績がリアルタイムでメール配信される!
デビットカードはキャッシュレスで手軽に決済できるのが魅力である半面、不正利用された時のリスクが非常に大きいのです。特にほくぎんJCBビジネスデビットカードの場合は、口座残高内で自由に利用できるカードですのでよりリスクが高いと言わざるを得ません。
ほくぎんJCBビジネスデビットカードでも様々な方法でセキュリティ対策を施していますが、それでも不正利用は完全に防げるとは言えません。また、付与した社員自体が明らかに個人目的でほくぎんJCBビジネスデビットカードを利用してしまう可能性も捨てきれません。
そこで、ほくぎんJCBビジネスデビットカードではカードを利用して決済化が完了した段階で指定されたメールアドレスに決済完了メールが通知されます。これによって、不正利用された場合でもすぐに気づくことができるのが魅力的です。
他にも、ほくぎんJCBビジネスデビットカードの利用者は会員専用WEBサービスであるMyJCBに登録可能で、利用限度額も設定することができるので、資金繰りを加味して限度額を設定することで、利便性を失うことなくリスク回避も図れます。
Web明細が利用可能!
ほくぎんJCBビジネスデビットカードの利用者が登録できるMyJCBでは、利用明細もWeb上で確認することができます。これには紙明細と同様な項目が記載されていますので、経費管理を更に容易に行うことができます。
特に、利用明細データをダウンロードできるのが特徴的で、ダウンロードしたデータを社内の経理管理フォーマットに加工することで、更に手間を省くことも可能です。MyJCBはインターネットが接続できるデバイスから無料で利用可能ですので、是非活用したいサービスですね。
ポイント制度がある!
ほくぎんJCBビジネスデビットカードでは、ほくぎんデビットと同様にJCBカードのポイントサービスであるOki Dokiポイントサービスを利用できる予定です。Oki Dokiポイント制度では、利用に応じて1,000円ごとに1ポイントが付与されるサービスとなっています。
これは基本的な内容であり、スターメンバーズと呼ばれる年間で一定金額以上利用した法人が対象となるステージ制のサービスがあり、自動適用されるステージに応じて最大50%アップするボーナスポイントなどの特典を得ることも可能です。
他にも、海外ダブルポイントによって海外でのショッピングではOki Dokiポイントが2倍になるサービスもあります。
貯めたOki Dokiポイントの有効期限は2年間で、各種商品や電子マネーと交換可能です。ANAのマイレージにも交換可能であり、貯めたOki Dokiを有効活用することができるのが魅力的です。
デメリット
ほくぎんJCBビジネスデビットカードはメリットが大きなカードでありますが、デメリットも存在しています。主なデメリットとしては、次のような項目が挙げられます。
利用できる店舗数が若干少ない
ほくぎんJCBビジネスデビットカード利用できるのはJCB加盟店が対象となります。JCBに対応したお店は数多くありますが、国際的なブランドであるVISAのデビットカードと比較すると、加盟店舗が若干少ないのが実情です。
もちろん、大きなチェーン店であれば加盟していることが多いのですが、小さなお店の場合は利用できない可能性がある点に注意です。また、以下のケースにおいても利用することができません。
- 口座の残高不足
- 利用限度額の超過
- 暗証番号相違
- 1回払い以外を指定した場合
- J-Debit端末での決済
- 公共料金の支払い(携帯電話料金は利用可能)
特に大きいのが公共料金の支払に利用できない点です。
法人でも光熱費などの支払にカードを利用したいケースがありますが、VISA系のデビットカードであれば支払いできるのに対し、ほくぎんJCBビジネスデビットカードでは支払い不可となりますので注意してください。
海外のATM手数料が高め
ほくぎんJCBビジネスデビットカードを利用すれば、海外のATMにおいて現地通貨で引き出すことができます。どうしてもカード払いでカバーしきれない場合はとても便利な機能であるのですが、問題となるのが手数料です。
ほくぎんJCBビジネスデビットカードでは、引き出し時にはJCBが定めるレート+3.024%の手数料がかかります。これは、他のデビットカードと比較すると高めの設定である点には注意が必要です。
ポイント付与率は低め
ほくぎんJCBビジネスデビットカードは、利用実績に応じてOki Dokiポイントが付与されるのは魅力的ですが、ポイント付与率という観点でいうと0.5%となっていて少々少ない印象があります。
各種キャンペーンを利用すればより高い還元率となるのですが、通常使いではなかなかポイントが貯まりにくいカードと言えます。
ほくぎんJCBビジネスデビットカードは審査不要
ほくぎんJCBビジネスデビットカードはクレジットカードと違い、入会時の与信審査が無いので設立年数や決算内容などに関係なく申込が可能です。
これは、口座直結での振替になるために、与信枠の審査は不要なのです。
審査が不要な法人デビットカード
ほくぎんJCBビジネスデビットカードはクレジットカードと同様に、審査が不要なデビットカードとしては次のようなカードがあります。
- ジャパンネット銀行Visaデビットカード
- 住信SBIネット銀行デビットカード
- SMBCデビット
- GMOあおぞらネット銀行Visaデビットカード
- 楽天銀行デビットカードJCB
- セブン銀行デビットカード
- ちばぎんスーパーカード
- りそなビジネスデビットカード
以上のカードの中で、楽天銀行デビットカードJCBと同じような位置づけのカードとなることが予定されています。
申し込みに必要な書類
2019年5月現在、まだほくぎんJCBビジネスデビットカードの申込は受け付けられておりません。
よって、必要な書類の有無については明らかになっていませんが、一般的な法人向けデビットカードと同様な書類が必要になると見られています。
ただ、設立年数や決算内容に関係なく申し込めるので決算書などの詳細資料の提出は不要であると推定します。
まとめ
ほくぎんJCBビジネスデビットカードはJCBの法人向けデビットカードとして初めてのカードとなるので、大きな注目が集まっています。
JCBブランドなので少々利用店舗が少なくなる可能性がありますし、公共料金への支払に利用できないのは不便に感じます。
ただ、経費管理を簡素化できたりキャッシュレス決済できることもあり、魅力的なカードと言えます。