世の中、新しいものが登場すれば、代わりに古いものが無くなってしまうこともあります。
クレジットカードもそうであり、新しいカードが出たり、従来のカードが申し込めなくなったりもします。
そこで、申し込み終了した法人カード「ETC/JCB法人一般カード」について解説します。
ETC/JCB法人カードの申し込み受付終了
ETC/JCB法人一般カードのホームページはウェブ上に存在していますが、そのページには「本カードのお申し込み受付は終了させていただいております。」と記載されています。
残念なことに、この法人カードは新規の申し込み受付を終了しており、新しくこのカードを作ることは現時点(2019年4月)では不可能だということです。
法人クレカからETCカードを申し込む形態に
では、ETC/JCB法人と同じようなカードを持つためにはどうすれば良いのかといえば、同じカード会社が出している「JCB法人一般カード」に申し込み、追加カードとしてETCカードを追加することで、ほぼ同じカードを保有することになります。
ただし、全く同じ状態になるというわけではありません。ETC/JCB法人一般カードとJCB法人一般カードは一部カード性能が異なる部分があり、ETCカードが一体化しているかどうかも異なります。
カード性能に関しては、JCB法人一般カードの情報を参照してください。
申し込み方法
JCB法人一般カードでETCカードを申し込む方法は、大きく分けて2種類あります。1つは「JCB法人一般カードと一緒にETCカードに申し込む」、もう1つは「すでに持っているJCB法人一般カードにETCカードを追加する」です。
すでに持っているJCB法人一般カードにETCカードを追加する場合、申込方法はさらに3つに分かれます。
- インターネットで申し込む
- 申込用紙で申し込む
- 電話で申し込む
インターネットで申し込む
会員専用のウェブサービス「MyJCB」に登録していれば、そこからETCカードの申し込みができます。
3つの方法の中で最も早くETCカードが届き、1週間ほどで発送してもらうことができます。急いでETCカードを入手したい場合におすすめです。
申し込み用紙で申し込む
申し込み用紙を請求し、必要事項を記入して送付して申し込みます。申込用紙は以下のページから請求できます。
https://www.jcb.co.jp/iss-pc/open/pamphlet/pamphletLargeList.html
申し込み用紙でETCカードを申し込む場合、資料の発送に約1週間、ETCカード発送までに約2週間かかりますので、3つの方法の中では最も時間がかかります。
あまりおすすめできない申し込み方法ですが、急いでいない場合であれば選択肢として考えても良いかもしれません。
電話で申し込む
以下の電話番号に電話して申し込みます。受付後、2週間ほどで発送してもらえます。
申し込み用紙での申し込みよりは早いですが、インターネットでの申し込みの方が早く届きます。
0120-1104-55(携帯電話の場合は0570-0010-55)
営業時間:9時~17時(日曜、祝日、年末年始は休み)
どんなカードだった
ETC/JCB法人一般カードはすでに新規申し込みの受付を終了していますが、復活しないとも限りません。そこで、ETC/JCB法人一般カードがどのようなカードであったのかについて解説します。
ETC/JCB法人一般カードの基本性能は以下の通りです。
・年会費:1,250円
・還元率:0.5%
・国際ブランド:JCB
・利用限度額:10~100万円
・海外旅行傷害保険:なし
・国内旅行傷害保険:なし
・追加発行できるカード:QUICPayと追加カード
・締め日:15日
・支払日:10日
・申込条件:新規受付終了
ETC/JCB法人一般カードは、以下の特徴を持った法人カードです。
・クレジットカードとETCカードが一体化
・年会費が安い
・カード決済で「Oki Dokiポイント」が貯まる
・JCB法人会員向けの各種サービスを利用可能
・ショッピング枠が最高100万円と低め
・旅行傷害保険は海外・国内ともに付帯していない
・「JCB STAR MEMBERS」が利用できない
・「JCB ORIGINAL SERIESパートナー」が利用できない
メリット
ETC/JCB法人一般カードはクレジットカードにETCカードの機能が付帯している法人カードです。
これ1枚で通常のショッピングもETC利用も可能であり、しかも年会費が安いので持ちやすい法人カードでもあります。
年会費は安いですが、法人向けのサービスはしっかりと利用できるので、コストパフォーマンスが良いカードだといえます。
クレジットカードとETCカードが一体化
ETC/JCB法人一般カードの最大の特徴は、クレジットカードにETCカードの機能が付帯していることです。
通常、クレジットカードにETCカードを追加することは可能ですが、「クレジットカード」+「ETCカード」という構図になり、つまり最低でも2枚のカードを保有するということになります。
ETC/JCB法人一般カードの場合は最初から法人カードにETCカードの機能が付帯しているので、このカード1枚持っているだけでカードショッピングとETC利用がどちらも可能になるのです。
高速道路の利用は多いけれど、あまりカード枚数を増やしたくない人にとって利便性の高い法人カードとなります。
ただし、この特徴はメリットであると同時にデメリットでもあります。高速道路でのETC利用のためにはカードをセットしておく必要があるので、利用する際にはこのカードを用意しておく必要があります。
もちろんショッピング時にも提示が必要なので、1枚のカードを場面に応じて使い分ける必要があるので、逆に不便に感じるかもしれません。
年会費が安い
クレジットカードを作り、持つうえで特に気になるのが「年会費」ですが、ETC/JCB法人一般カードは年会費が安い法人カードとしても高い利便性を有しています。その年会費は1,250円(使用者1名追加ごとにプラス1,250円)と、法人カードの中でも破格の安さを誇ります。
特に「ゴールドカード」や「プラチナカード」になると、年会費だけで何万円というお金を支払うことになります。法人カードの場合、使用者が多くなることも珍しくありませんので、追加するごとに年会費がかかるカードの場合、さらに年会費の負担を増やすことになります。
ETC/JCB法人一般カードの場合はオンライン申し込みで初年度年会費無料、2年目以降は年間1,250円と、会社の経理にやさしい金額となっています。初めて法人カードを持つという企業にとって嬉しい特徴です。
カード決済で「Oki Dokiポイント」が貯まる
ETC/JCB法人一般カードは、カード決済によって「OkiDokiポイント」というポイントが貯まるポイントプログラムが用意されています。貯まったポイントはさまざまな特典と交換することができるので、カードで経費を支払うだけでさまざまな特典を利用することができます。
法人は、さまざまな費用を支払い、法人カードを作るということは法人カードでの支払いの機会が多いということでもあります。
ETC/JCB法人一般カードのポイント還元率は0.5%と相応の水準であり、カード払いが多くなるほどポイントを多く貯められるのです。貯めたポイントは福利厚生にも活用できますし、経費削減のために利用することもできます。
JCB法人会員向けの各種サービスを利用可能
ETC/JCB法人一般カードを持っていると、法人向けのさまざまなサービスを利用することができます。具体的には以下のサービスです。
・会員専用WEBサービス「MyJCB」
・JCB E-Co明細(イーコメイサイ)サービス
・JCB.ANA@desk
・JCB de JAL ONLINE
・JR東海「エクスプレス予約」サービス
・じゃらんコーポレートサービス
・アスクルサービス
・「弥生会計 オンライン」を初年度最大14ヵ月無料で利用
・ソリマチ
・Concur Expense
・楽楽精算
・MAJOR FLOW Z KEIHI
・J’sNAVI NEO
・C-five
・JCBタクシーチケット
・JCBプレモカード各種包装セット・発送サービス
・JCBギフトカードのセット・発送サービス
・QUICPay追加可能
・エッソ・モービル・ゼネラルコーポレートカードを付加発券可能
・JCBトラベル
・福利厚生倶楽部
デメリット
そんなETC/JCB法人一般カードですが、一般的な法人カードやJCB法人一般カードと比較すると見劣りする部分も少なくありません。
ショッピング枠が小さく、旅行傷害保険が付帯していないのは特に気になります。また、JCB法人一般カードで利用できる一部のサービスを利用できない点も無視できません。
ショッピング枠が最高100万円と低め
ETC/JCB法人一般カードは、ショッピング枠が最高で100万円までしか設定することができません。法人の経費は合計すると相応の金額になることも多く、最高100万円という金額は低く感じてしまう可能性もあります。
旅行傷害保険は海外・国内ともに付帯していない
ETC/JCB法人一般カードには、クレジットカードに付帯していることの多い「海外・国内旅行傷害保険」が付帯していません。出張時の事故などで費用が発生した際の補償を受けられないので、出張の多い法人にとっては手痛いデメリットになるかもしれません。
「JCB STAR MEMBERS」が利用できない
ETC/JCB法人一般カードでは「JCB STAR MEMBERS」を利用することができません。このサービスはJCBカードでの利用金額が一定以上の場合に自動登録され、ポイントが貯まりやすくなるサービスです。
ETC/JCB法人一般カードではこのサービスが適用されないので、相対的にポイントを貯めにくくなっています。同じ法人カードでもJCB法人一般カードの場合は、このサービスが適用されます。
「JCB ORIGINAL SERIESパートナー」が利用できない
また、ETC/JCB法人一般カードは「JCB ORIGINAL SERIESパートナー」を利用することもできません。このサービスはJCBカードを利用することでさまざまな特典や優待が用意されているのですが、残念ながらETC/JCB法人一般カードには適用されません。このプログラムもポイント優待があるので、やはり相対的にポイントを貯めにくい印象を受けてしまいます。
同じように一体化したカードと比較
ETC/JCB法人一般カードには、上位ランクの法人カードである「ETC/JCB法人ゴールドカード」があります。残念ながらこちらのカードも現在は新規受付を終了しており、申し込むことはできなくなっています。
一般カードとの違いは以下の通りです。
・充実した旅行傷害保険が付帯
・ショッピング枠が最高250万円
・航空機遅延保険が付帯
・ショッピング保険が最高500万円
・空港ラウンジサービス利用可能
・ゴルフエントリーサービス利用可能
・年会費が10,000円(追加ごとにプラス3,000円)
年会費が高額になっている分、さまざまなサービスが付帯しています。
特に「最高1億円の旅行傷害保険」と「最高500万円のショッピング保険」などの充実の保険が付帯しているところは、さまざまなシーンにおいて安心してカードを利用できるという点で大きなメリットとなります。
ETC/JCB法人カードの代わりにおすすめカード
ETC/JCB法人カードは、一般カードもゴールドカードもすでに申し込みできない状態になっています。ETC/JCB法人カードが必要だということは、法人カードとETCカードの両方が必要だということでしょう。
そんな法人におすすめする法人カードは以下の5種類です。
- JCB法人一般カード
- JCBビジネスプラス法人一般カード
- UC法人一般カード
- 三井住友ビジネスカードクラシック(一般)カード
- ビュー法人カード
JCB法人一般カードはETC/JCB法人一般カードとの共通点が多く、ETC/JCB法人一般カードを作りたいという人にとって最も理想に近い法人カードの選択肢になると思います。
法人カードとしての基本性能はこちらの方が上なので、ETCカードが別になるという点を除けば上位互換のように感じるでしょう。
「JCBビジネスプラス法人一般カード」「UC法人一般カード」「三井住友ビジネスカードクラシック(一般)カード」「ビュー法人カード」の4枚をおすすめする理由は、JCB法人一般カードとの共通点があるからです。
その共通点とは「カードの年会費が安い」ことと「ETCカードを複数枚発行できる」ことです。
法人カードの中には、法人カード1枚につきETCカードを1枚しか追加できないカードも多いのです。しかし、複数の社員に法人用ETCカードを持たせたい場合だと、そういった法人カードでは目的を果たせません。
おすすめした計5枚のカードは、ETCカードの発行枚数が本体カード1枚につき99枚、あるいは無制限となっています。
複数の社員にETCカードを持たせたい場合におすすめですが、中にはETCカードに年会費が設定されているものもありますので、経費を抑えたい場合はETCカードの年会費が無料のカードを選んでください。
まとめ
ETC/JCB法人一般カードはETCカードが一体化していることでETCカードとしての利便性を高めた法人カードであるといえます。
その分、通常の一般カードと比較してデメリットとなる部分も少なくないのですが、すでに新規申込できなくなっているので考えても仕方がないかもしれませんね。
現在、JCB法人一般カードにETCカードを追加することが代替案となっています。しかし、今後ETC/JCB法人一般カードの申し込み受付が再開されないとも限りませんので、気になる場合は定期的にホームページを確認して、受付が再開されていないかどうか確認してください。