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創業間もない法人や個人事業主の方にとって、決済ツールの充実、経費の可視化や煩雑な経理業務の効率化は、ビジネスを拡大させるにおいては必要事項であるかもしれません。
これらの要素を含む決済手段として、多くのビジネスオーナーや個人事業主の方に支持されるのが「ビジネスカード」というツールになります。
しかしビジネスカードにも会社独自の審査基準があることをご存知でしょうか。
今回はそんなビジネスカードの中から「ダイナースクラブビジネスカード」について紹介していきます。
審査のハードルが高いと言われるダイナースクラブのクレジットカードですが、個人用とビジネス用では、審査の基準や必要となる書類も異なってきます。
果たしてダイナースクラブビジネスカードは、どのような審査基準を持ち、申し込み書類は何を用意すれば良いのか、審査に落ちる人間とはどのような人なのかなど、ダイナースクラブビジネスカードの審査に関わる内容について解説していきます。
ダイナースクラブビジネスカードの特徴
ダイナースクラブビジネスカードは、三井住友信託銀行グループの「三井住友トラストクラブ株式会社」より発行されるビジネスオーナーや個人事業主、会社役員の方を対象としたビジネスカードになります。
ダイナースクラブビジネスカードは、年会費が27,000円(税抜)と非常に高額なコストを要し、入会の目安も「年齢27歳以上」で法人の代表者、または役員、個人事業主といったような条件が明記されています。
しかし一方で、利用可能枠が「一律の制限なし」(会員ごとの利用状況や支払い実績に応じて設定されている)、「ダイナースビジネス・ラウンジの利用可」、「ダイナースクラブビジネス・オファー」、「会計ソフトの利用サービス」などといった、ダイナース独自のサービスを幅広く利用することができます。
これらの多彩なサービスを利用することで、ビジネスカードの従来の目的でもある経理の透明性や資金管理の簡略化に一役かっているカードがダイナースクラブビジネスカードになります。
ダイナースクラブビジネスカードの審査基準
まずはじめに解説するのは、ダイナースクラブビジネスカードの「審査基準」になります。
あらかじめ審査基準について理解を深めておくことで、審査を通りやすくすることもできますし、審査通過に向けて準備をすることも可能になります。
ダイナースクラブが求める申し込み資格に達している
ダイナースクラブの公式サイトにある「お申し込み資格」の欄には、以下のように記されてあります。
- 個人事業主、法人企業の代表者または役員の方
- 医師、歯科医弁護士等の専門資格をお持ちで開業されているプロフェッショナルの方
- 上記の内容を満たしている方でも、原則としてお申し込みは年齢27歳以上で上記条件を満たしており、なおかつ安定した収入のある方
これらの点がダイナースクラブビジネスカードに入会するための資格または条件になります。
ここには他社の審査基準にあるような「設立から○○年」、「黒字経営であるか」、「財務諸表等の提出」といったような細かい指示は明記されておらず、公式サイトには「法人格の有無に関わらず申し込み可能」とまで記されています。
具体的な明言は避けられているため、審査の厳しさについては触れることはできませんが、年会費が27,000円(税抜)であることや、ダイナースクラブより発行させる個人用のクレジットカードの審査の難しさを加味すると、申し込み側に求められている基準も高いということが言えます。
申し込む代表者の信用情報
先ほど述べたように、ダイナースクラブビジネスカードに申し込む際の資格は、「基本会員に求める資格のクリア」、「年齢27歳以上」、「安定的な収入」などが基準として挙げられていますが、もちろんこれらの要因をクリアしていれば必ずダイナースクラブビジネスカードが手に入るわけではありません。
ダイナースクラブ公式サイトにも、申し込み資格を有していても「ダイナースクラブ所定の審査がある」と明言しています。
そのため、これらの属性を有していても「落ちる可能性」があるのです。
そのような事態に陥らないように、個人用の信用情報についても把握しておく必要があります。
個人用の信用情報には、その人の「職業や年収」、「住宅ローンの有無」や「他社からの借り入れ状況」、「信用機関(CICなど)の信用履歴」、「支払い状況」など、これまでの信用実績が細かく明記されています。
一般的にこの信用情報に「キズ」がついていると、個人用のクレジットカードは愚か、法人用のビジネスカードの審査においても落ちやすくなってしまいます。
そうならないためにも予め信用機関より自身の情報を取り寄せ、自分の立ち位置を知ることをおすすめします。
一度審査に落ちてから再度申込みとなると、時間もかかりますし、企業側の印象も悪くうつってしまうので、できる限り一度で審査を通るようにすることをおすすめします。
ダイナースクラブビジネスカードの申込書類
一般的なビジネスカードの場合には、各発行会社ごとに所定の審査基準を有していたり、申し込む際に必要書類を提出することを義務付けられています。
事実これらの基準に達しないだけでも審査に落ちてしまう可能性は十分に高まります。
果たしてダイナースクラブビジネスカードはどのような書類を必要とするのか、あらかじめこの記事を読んで把握しておきましょう。
ダイナースクラブビジネスカードを申し込む上で必要となる書類は、下記の2点のみになります。
○オンライン申し込み確認書
○本人確認書類
ダイナースクラブビジネスカードでは、「決算書等の財務諸表」や「登記事項証明書」の提出は不要とされていますので、申し込み時における必要書類は上記の通り最低限度の書類のみになります。
ダイナースクラブビジネスカードの審査落ちする人の特徴
続いて解説するのは、ダイナースクラブビジネスカードの審査に落ちてしまう人の特徴についてです。
ダイナースクラブビジネスカードの審査基準は一般的に公表されていないため、あくまでも想定の範囲内での説明になります。
しかし、ビジネスカードに関しても審査基準が高いとされるダイナースクラブにおいて、下記で列挙する項目がクリアできていない場合、落ちる可能性は高くなりますので参考にしてください。
個人のクレジットヒストリーが弱い人
先述しましたように、ダイナースクラブビジネスカードに申し込むを行う際の資格としては、年齢が27歳以上で、ビジネスオーナーや個人事業主、会社役員、プロフェッショナルな専門職であるなどの肩書きが必要となります。
反対に、必要書類からも推測できるように、事業内容や売上の規模、設立年等の内容は問われないため、個人のクレジットヒストリーで審査を判断している可能性が高くなります。
実際ダイナースクラブのクレジットカードは個人・法人問わず、経営者や医師、弁護士などの士業の方、個人事業主や会社役員の方といった、ダイナースクラブが求める資格を有した方が多くカードを保有しているように感じ取れます。
そのため個人のクレジットヒストリーに置き換えても「過去に支払いの遅延がある」、「多額のローンや借り入れを行なっている」、「支払いが延滞している」といった履歴を持つ人ではまず間違いなくダイナースクラブビジネスカードは作れないと思った方がよいかもしれません。
クレジットヒストリーがない人
先ほど、個人のクレジットヒストリーに「キズ」が付いていてはビジネスカードの審査がおりないとお話ししましたが、クレジットヒストリーが「全くない人」も審査を通過する可能性は低くなります。
理由としては、クレジットヒストリーはその人の「金銭感覚」や「管理能力の有無」を精査しているように見受けられるからです。
信用履歴が全くなく、いわゆるクリーンな人では「返済能力の選定」や、「貸し倒れリスクの有無」が図れず、結果として審査がおりない可能性が出てきてしまいます。
仮にダイナースクラブビジネスカードに申し込みたいのであれば、他社から発行されるビジネスカードを着実に活用し、クレジットヒストリーを積み上げるようにしましょう。
ダイナースクラブビジネスカードの審査を通しやすくするポイント
続いて解説するのは、ダイナースクラブビジネスカードの審査を通しやすくするポイントになります。
先述した「審査落ちする人の特徴」の反面教師のような内容になりますが、下記に列挙したポイントをしっかりと遵守していれば落ちることは無いと考えています。
「支払い遅延」は絶対にしない!
ダイナースクラブビジネスカードを保有されたいのであれば、クレジット関係の支払いの遅延は絶対にしないでください。
「一度くらい遅れても問題ない」、「いずれ消える記録だから関係ない」と思われた方もいるかもしれませんが、どのような情報をダイナースクラブが把握しているかわかりません。
また支払いの遅延は、ビジネスにおいて相手先の企業やダイナースクラブの信用を失うことに繋がったり、最悪の場合、会員資格の停止・事故案件として世間一般でいう「ブラックリスト」にも発展する可能性を秘めています。
ビジネスにおいて「一度くらいやっても…」という姿勢で臨むのではなくはなく、審査を通過しやすくするためにも、期限を守って正しく支払いを行うようにしましょう。
ローンや借り入れの管理を怠らない
支払い遅延と同様に、ローンや借り入れの管理を怠らないことも審査を通しやすくするポイントの一つになります。
ビジネスや事業を行なっていれば、一番労力がいる作業となるのが資金管理や調達方法になります。現在の低金利時代を加味すれば、個人・法人問わずローンや借り入れを簡単に行える組織も多くいることが事実であると思います。
しかしこれらの情報もまた信用機関の情報に登録されているのです。
ステータスの高い企業は比例する形で審査基準も高いとされているので、安易に借りたローンや借り入れが致命傷になることも十分にあり得ます。
ステータスを高めておく
審査を通しやすくするポイントの一つに、個人のステータスを高めておく必要性もあります。
どの情報がエビデンスとなったのかは定かではありませんが、多くのサイト内で「年収500万円以上」という審査基準も提示されています。
こちらの数値はダイナースクラブが公式に提示した年収ではないため、一概にクリアする必要もありませんが、審査を申し込む上で、個人のステータスを高めておく必要性は十分にあります。
ダイナースクラブビジネスカードの資格には、法人や個人事業主の売り上げや規模、設立年数などは含まれておりません。そのため、仮説ではあるものの、個人のステータスやクレジットヒストリーを加味して、ビジネスカードの発行の有無を決めているものと思われます。
もちろんクレジットヒストリーを着実に形成していくことも大切な手段の一つですが、ステータスの部分で審査から除外されることがないように、申し込みを行うのであれば着実に自身のスキルアップやキャリアアップも図ることをおすすめします。
申し込みからカードが届くまで
最後にお伝えするのは、ダイナースクラブビジネスカードを申し込んでからカードが届くまでの簡潔なスケジュールになります。
ダイナースクラブビジネスカードは、申し込みを行ってから、実際に手元にカードが届くまで約2〜3週間の期間を要すると言われています。ビジネスカードが発行される期間としては、妥当な期間のため早いわけでも遅いわけでもありません。
またダイナースクラブビジネスカードは、必要書類の提出が最低限に抑えられているため、審査までの工程が早く、1日でも早くビジネスカードを手にしたいビジネスオーナーや個人事業主の方におすすめであると言えます。
まとめ
今回はダイナースクラブビジネスカードの審査の特徴や基準、必要なる書類、審査を通しやすくするポイントに至るまで幅広い内容について解説してきました。
ダイナースクラブは、個人用のクレジットカードにおいてもステータスが非常に高く、国際的ブランドとして知名度のあるカードなので、ビジネスにおいても利便性の高さは証明されています。
今回審査においては、明かされている箇所が少なく、年齢や職業、必要書類に一定の基準が設けられている程度になります。
だからこそ今回「審査落ちする人の特徴」や「審査を通しやすくするポイント」を参考にしてダイナースクラブビジネスカードの審査を通過するようにしましょう。
ステータスの高いビジネスカードだからと慌てるのではなく、あらかじめ準備をしてダイナースクラブが求める資格を有した状態で審査に望むようにしましょう。